令和5年10月24日(火)
JR沼津駅周辺の鉄道高架事業に伴う新貨物ターミナル(静岡県沼津市原地区)の施設工事が23日、始まった。鉄道施設本体工事の第1段階と位置づけられており、鉄道高架事業が今後本格化する。
現在の貨物駅は沼津駅の西1キロにあり、新貨物ターミナルは約8キロ西に移る。敷地面積約11・8ヘクタール、東西約2・1キロに及ぶ。コンテナホームや駅事務所、貨物線、旅客線などを整備する。工事は2027年度末に完了予定で、事業費は約146億円。
本体工事の第2段階となる新車両基地(同市片浜地区)は24年半ば、第3段階の高架本体は26年にそれぞれ工事に着手する。鉄道高架化が実現するのは40年度で、本体工事の総事業費は約1034億円となる。
鉄道高架事業など6事業で構成される沼津駅周辺総合整備事業の総事業費は、駅北の多目的展示イベント施設「キラメッセぬまづ」や都市型商業施設「BiVi沼津」などすでに完了しているものを含め約2272億円にのぼる。
この日あった安全祈願式典には県と市、JR貨物、JR東海の関係者ら約80人が出席した。頼重秀一市長は「30年来の事業を本格的に進める貴重な第一歩を踏み出した。この事業は街づくりの中核をなすもので、県東部の持続的な発展のために欠かせない」と意義を強調した。JR貨物の小山靖仁東海支社長も「物流拠点としてだけでなく、災害時のBCP(事業継続計画)対応の拠点にもなり、地域の発展に寄与できる」と話した。