令和8年2月26日(木)
「まちが寂れていくのを見るのは市民としてつらい」―。
そう漏らすのは、JR沼津駅南口からほど近い沼津市大手町3丁目に立つ病院運営法人の男性だ。人通りが減り、老朽化したビルが並ぶ中心市街地の現状を憂いながらも、「民間としてできることをやり、まちづくりに貢献したい」と前を向く。
こうした声を後押しするため、沼津市は2026年度、この病院や専門学校の跡地などを含む0.3ヘクタールの区域で、国の制度に市独自の補助条件を加えた「優良建築物等整備事業」を初めて運用する。医療や介護サービスを提供する施設と、居住空間を備えた建物が整備される見通し。市は民間の計画策定などを支援する費用として、当初予算案に3,500万円を計上した。
市のまちづくり戦略で定めた「駅まち環状」を中心とした区域が対象。複数の地権者からなる1千平方メートル以上の敷地を共同化し、「まちなか居住」の促進や生活の利便性向上に資する施設整備を補助する。市によると、都市再開発法に基づく通常の再開発よりもスピーディーで、中小規模の計画にも柔軟に対応できるのが特徴という。
中心市街地の衰退が叫ばれて久しいが、2026年度には念願の鉄道高架事業の本体工事が始まる。駅前のにぎわい拠点整備や中央公園の大規模リニューアルも並行しており、市街地整備課の担当者は「再開発を含めて『まちの更新』をさらに進め、民間投資を誘発したい」と意気込む。
優良建築物等整備事業は、市街地環境の向上や優良な住宅の供給を促進するために、一定の条件を満たす民間等の任意の再開発事業に対して、国と地方公共団体が予算の範囲内で助成を行うものです。法的手続きを要しない任意の事業であるため、法定再開発事業よりも事業期間の短縮を図ることができるというメリットがあります。
・沼津市制度概要(PDF)