令和4年3月22日(火)
令和4年の地価公示が発表されました。
住宅地・商業地は下げ幅が縮小し、工業地が下落から横ばいになる等、新型コロナウイルス禍からの回復傾向は窺われました。
しかし、住宅地は、住環境に恵まれた駅周辺や幹線道路沿線の地域と、沿岸部や過疎地域との間では回復スピードや変動率が異なり、二極化が一層進んだ状況です。
以下、静岡新聞記事抜粋
■沼津市
住宅地は地域によって“明暗”がはっきりした。JR沼津駅北口などは堅調で、北高島町は前年よりわずかだが上昇した。人気の大岡や岡宮も底堅い。10万~15万円の取引が見られる。一方、中心街の外縁部は軟調地合い。口野や原など沿岸部は弱含みで、下香貫も厳しい。「大きな商いや需要が少ない」と関係者。
商業地は軒並み下落した。大手町や上土町といった地元の代表的なエリアは3%近く落ち込んだ。新型コロナウイルス禍もあり、空き店舗が散見される。商業施設の出店計画による影響は限定的か。
■三島市
住宅地は交通手段や買い物などの利便性が高い市街地で人気があり、広小路駅や西小に近い緑町で18万円の売買事例があった。三島駅周辺は計画が進む再開発事業への期待感も高まる一方、物件は少ない。郊外は横ばい傾向が続く。ロシアのウクライナ侵攻による今後の価格高騰を見据え、購入を急ぐ動きも出始めているという。
■裾野市、長泉町、清水町
住宅地は、長泉町が0・7%上昇で県内トップ。JR三島駅に近い下土狩や中土狩が人気で、17万~18万円の取引も。裾野市は1・7%下落。生活環境の整った伊豆島田や佐野では11万~12万円台の取引があるが、低予算化傾向が出ている。清水町は0・3%の下落にとどまった。新宿で16万円台と北部は人気だが、南部は低調。
■伊豆の国市、函南町
住宅地、商業地ともに2市町の全調査地点で下落した。住宅地の平均変動率は伊豆の国市で2・0%、函南町で1・6%の落ち込みで、下落傾向が続く。それでも、通勤通学の利便性が高い伊豆箱根鉄道沿線では一定の人気はあり、伊豆の国市四日町で11万円台の取引がある。商業地の動きは低調。
■御殿場市、小山町
御殿場市の住宅地は0・3%下落した。JR御殿場駅周辺は供給不足が続き、強気の価格設定でも成約する。御殿場小校区、御殿場南小校区でそれぞれ10万3千円前後の取引があった。小山町の住宅地は0・6%下落。新規分譲が続く中、同市での供給不足が影響して引き合いは増加。小山地区で6万4千円前後の売買があった。
■富士市
住宅地は1・2%下落。物価高で買い控えが出始めたが、駅に近い柳島周辺では9万台の実売例も。市南部は子育て家族に人気で宮島や森島で6万円台、市北部の一色では5万円台の取引がある。商業地は0・9%下げた。賃貸主体で売買の動きは少ない。工業地は物流関係の引き合いが強いが、大規模用地が払底している。
■富士宮市
住宅地、商業地ともに1・1%下落した。住宅地は供給過多の傾向が続く見通し。万野原新田の南側は利便性や手ごろ感から一定の需要があり0・4%と下落幅は小さい。新たに開発された中規模分譲地で4万円台の取引が多い。市内ではドラッグストアの出店が相次いでいる。工業地は0・2%の微減に転じたが流通業務用地として底堅い。